13年後、モンマルトルの丘で斬殺されたのはかつてのコミューヌ兵士であり、エドモンにとって忘れがたい想い出につらなる男であった。
遣り手家具商としての貌と、アナーキストにつながる貌を併せ持つ男の事件を追う。その過程は同時に、亡き恋人の最後に思いを馳せることを意味していた。
光と影の交錯する「19世紀の首府」パリを舞台に、新聞記者エドモンの歩きまわる五部作、最後の事件。
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シリーズ、黄昏のエドモン。パリ・コミューヌ150年記念年にあたる今年、2021年年初に上梓。
こういう形で終えられ、ほっとしている。
以下、本書「記」より一部引用。
19世紀パリを体感してみたい。その想いから1952年生まれの筆者は、ちょうど100年前にあたる1852年生まれの分身を現地へ送り込むことにした。それがエドモン・ド・ランベール。
分身の方が、筆者本人より女性にもて、才覚も上であることは認めなくてはならない。いくらかなりと現実を超え出て、夢見たい。そんな願望の発露とお笑いいただきたい。
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アマゾン、キンドル電子書籍にて発売中。